雛人形

お雛様をしまうのが遅くなると、お嫁に行くのが遅くなるのですか?

決してそんなことはございません。

お片づけが遅くならないようにと戒めのように「お嫁に行くのが遅くなる」と伝わっています。

「3月3日を過ぎて、2週間も3週間もお飾りしてあるお家柄では、だらだらしているお家だと思われます。お母さんのしつけがちゃんと出来ていないので、だらだらしている子に育ち、お嫁の行き手がなくなる。」そんなことから、お嫁に行くのが遅くなるといわれるようになりました。

3月3日が過ぎ、1週間ぐらいの間で、お天気のいい日に(雨の日が続いてもあわてずに)片付けるようにしてください。お人形は湿気を嫌います。湿気を箱にいっしょに入れないように心がけてください。

お母さんの雛人形、お父さんの五月人形を生まれた子供のために使っていいのですか?

すみませんが、いいとは言えません。

お母さんの雛人形は、お母さんの代わりになり厄を受けてくれています。綺麗な状態で残っていて、物を大切にするお気持ちも十分に理解できますが、その雛人形をお子さんのために使うと、厄を受け渡すことになり、決していいとはいえません。そもそも雛人形は流し雛が始まりです。厄を流す。そんな意味合いから始まりました。

また、雛人形は婚礼を意味します。将来のご良縁を願ってお飾りします。お姫様はお嬢様の成人した姿で、お殿様は将来の伴侶像、つまり将来の旦那様です。ですから、お母さんの雛人形はお母さんと旦那さん=お父さんになります。お母さんの雛人形を娘さんのものとして飾ると、お父さんとの婚礼を意味することになるので、意味が違って来ます。

五月人形も同じです。お子さんの身を守るものであります。同時にお子さんに降りかかる厄を代わりに受けるものでもあります。五月人形は守護神とも言われます。願掛けや必勝祈願、験担ぎとしても飾られます。その子の験担ぎとして、守護神としての意味があるのです。

いろいろとご家庭の事情があると思いますが、その子の厄を代わりに受けるお人形をご用意してあげてください。

また、2人目、3人目のお子さんの場合も同じです。その子の身代わりになるものをご用意したほうがよろしいですね。

お母さんの雛人形、お父さんの五月人形はどうすればよろしいですか?

一緒にお飾りして下さい。

お子さんのお人形と一緒にお飾りして、お祝いいたしましょう。お母さんの七段飾りが全部飾れない場合、お殿様とお姫様だけで結構ですので、お屏風を立てて、お子さんのお雛様の横にお飾りください。(お飾りしなくなったお人形は、人形供養いたしております)

中には3代(おばあちゃん、おかあさん、お子さん)のお雛様をお飾りするご家庭もございます。また、お母さんの七段飾りとお子さんの七段飾りをお飾りされた方もみえます。七段飾りが並ぶと、本当に豪華でした。お雛様の今昔も見られて、いいものでした。

五月人形も同じように、並べてお飾りください。職人の技で出来た五月人形が並ぶと、本当に勇壮果敢です。

どうしても飾る場所の関係で一緒に飾れない場合は、実家でお飾りして頂いても結構です。遠く離れた実家からも暖かくお守りしていますよと。そんな意味もありますので。

役目を果たしたお人形さんは人形供養を。

当店では人形供養の代行をしております。お預かりしたお人形をお寺さんにお送りいたします。

お人形を受け継ぐ気持ちは大切です。ものを大事にすることですので。

しかし、伝統とは人形を受け継ぐのではなく、気持ち、心を受け継ぐものだと考えております。

こうして今、この文章をお読みなられているということは、雛人形・五月人形に関して何か思うことがあるからでしょう。人形を選んだ日のこと、おばあちゃんとおかあさんが気に入った人形と出会たこと、おじいちゃんが買ってくれたこと、そんな気持ちを受受け継いでほしいのです。お子様をぎゅっと抱きしめて、お人形の前で、そんなお話をしてあげてください。

雛人形が役目を終えるとき

雛人形はお子様が生まれた年にご用意され、成長を見守り、立派な成人になるまでお供します。成人し、素敵な縁に結ばれとき、役目を終えるときだと考えております。

生まれてから素敵な旦那様が現れるまでは、雛人形がお守りとなります。

しかし、素敵な旦那様が現れると、今度はその旦那様が、お嬢様をお守りしてくれます。

役目を終えた雛人形は飾れる場所があるようでしたら、お母さんとお子さんの一緒に飾って頂きたいです。もし難しいようでしたら、感謝の気持ちを込めて人形供養をしてあげてください。

お飾りする日に決まりはありますか?

特に決まりはありませんが、日の良い日にお飾りされたほうがいいですね。

雛人形も五月人形もお祝い、縁起物ですので、日の良い日にお飾りされたほうがいいです。一番は「大安」です。「友引」「先勝」も日が良いとされています。人形の石川では、配達、お飾りをさせていただいております。西濃地区は無料にて行っております。岐阜県、その近隣の県にもお伺いいたします。ご購入の際に、配達、お飾りの日程をご相談いたします。

しかし、「大安」はすぐに予定がいっぱいになってしまいます。早くから購入された方が、大安を選んでどんどんご予約をされるからです。人形選びのコツ(お雛様の選び方⑤参照)にも書かせていただきましたが、出来るだけ早めにご購入されて、日の良い日をご予約されたほうがいいかと思います。

特に、日曜日の大安は2、3ヶ月に1回ほどしかありません。すぐに予約でいっぱいになりますので、ご予定をしっかり立て、早めに行動されたほうがいいかと思います。

雛人形のお勧めの購入時期

雛人形は10月下旬から店頭に新作がずらりと並びます。
11月初旬から2月中旬くらいをお勧めいたします。
遅くても桃の節句の1週間前にはお飾りください。

限定品やこだわりの雛人形をお探しでしたら、12月末までをお勧めいたします。
新年を迎え1月に入ると雛人形選びがさかんになります。
そうすると、毎週のように在庫状況が変わります。
ほしかった雛人形が完売となる場合が多々ございます。
お勧めは年内です。

五月人形・鯉のぼり

五月人形・鯉のぼりのお勧めの購入時期

     

五月人形は雛人形のあとにどこのお店も展示を始めます。
(12月くらいから雛人形と同時に飾ってあるものは、新作ではなく在庫です。そんなお店もあるようです。)
当店では2月下旬から展示即売会を開催します。
購入時期は2月下旬から4月下旬をお勧めいたします。

限定品やこだわりの五月人形をお探しでしたら、3月中旬までをお勧めいたします。
3月3日を過ぎると五月人形選びがさかんになります。
そうすると、毎週のように在庫状況が変わります。
限定品や一点ものの五月人形が完売となる場合が多々ございますので。

共通・その他

次男、三男、次女、三女が生まれた場合には

出来ればそれぞれにお人形をご用意して頂きです。
五月人形はその子の守護神となります。
験担ぎや願掛け・必勝祈願の意味もあります。
いざという勝負時に五月人形はお飾りして頂くものでもあります。
お家事情で難しい場合は、次男、三男さんに何かお人形をご用意され、長男さんの五月人形と一緒にお飾りして頂いても結構です。

次女、三女さんにも出来れば雛人形をご用意して頂きたいです。
雛人形はお殿様とお姫様を対で飾ります。ご良縁を願い飾ります。それぞれのご良縁と素敵な旦那様に巡り合うためにご用意してください。
お家事情で難しい場合は、何かお人形(市松人形など)をご用意され、長女さんの雛人形と一緒にお飾りください。お顔、手、足がちゃんとある市松人形が一番のお勧めです。今は可愛い市松人形もありますので。

しまう時の防虫剤には「お人形用」がいいのですか?

     

五月人形(糸に絹が使ってあるので防虫剤が必要です)もお雛様も人形用でも結構ですが、衣類用の防虫剤とほとんど成分は変わりません。(何点か確認しました。)通常の防虫剤ですと、エンペントリンという成分が一般的に使われています。プロフルトリンはエンペントリンより防虫効果が2倍から3倍と高いですのでお勧めいたします。

しかし、防虫剤の入れすぎには注意してください。桐箱、お櫃(桐製のもの)を使用されている場合は、すでに防虫効果がありますので、1つで十分です。その他の場合は2つくらいで結構です。

また、直接、着物や金具に触れないように入れてください。化学反応で劣化する恐れがございます。

それと、違う種類の防虫剤を2個も3個も使用することは、防虫剤同士が化学反応を起こしてしまう場合もありますので、気をつけてください。